
衝突事故が発生した際、何がどのように起こったのかを正確に把握することは、保険手続き、運転者の教育、さらには訴訟対策において非常に重要です。テレマティクスデータを用いた衝突再現は、衝突の前後の状況を科学的に記録・解析し、口頭の証言だけでは把握しきれない詳細な情報を提供します。本記事では、衝突再現の基本概念と、MyGeotabで利用可能な「Collision Reconstruction Add-In」のインストールおよびレポート生成方法について詳しく解説します。
衝突再現とは?
衝突再現は、GPSや加速度センサー、速度データなど、テレマティクスから取得される各種データを用いて、事故発生前・最中・事故後の状況を再現するプロセスです。
- 正確な記録
テレマティクスデータは、事故の瞬間を秒単位で記録(100 Hzの高頻度データ)し、科学的根拠に基づく事故状況の把握を可能にします。 - 幅広い活用用途
事故の原因分析、運転者教育、保険請求や訴訟時の証拠として利用でき、また、特定の運転者や車両の過去の挙動を確認することで、再発防止策の策定にも役立ちます。
Geotab Collision Reconstruction Add-Inのご紹介
Geotabが提供するCollision Reconstruction Add-Inは、MyGeotabユーザー向けに無料で提供されているマーケットプレイスソリューションです。このアドインを利用することで、以下の情報を含む衝突レポートを自動生成できます。
- 衝突日時と場所
- 衝突時の車両速度
- 加速度データ
- 衝突の衝撃点
これにより、従来の口頭証言に頼ることなく、客観的なデータをもとに事故状況を再現することが可能です。
Collision Reconstruction Add-In FAQ(よくある質問)
- 衝突データとは?
GOデバイス内蔵の加速度センサーが、2.5G(24.5 m/s²)を超える衝撃を検知し、100 Hzの高頻度で事故時のデータを記録します。 - 衝撃点はどのように決定されるのか?
加速度データから、事故発生時の加速度の大きさと角度に基づいて算出され、デバイスの取り付け位置により若干の誤差が生じる可能性があります。 - 「この期間中に事故は検知されませんでした」と表示される場合
小規模な衝突、デバイスの電源喪失、取り付け不良などが原因の場合があります。その際は、Geotabサポートへ問い合わせると、手動でのデータ抽出が可能です。 - 複数回の衝突があった場合は?
現在のバージョンでは最新の事故のみを解析します。複数の事故を解析する場合は、該当期間を絞り込む必要があります。
MyGeotabへのインストール方法とレポート生成手順
1. Collision Reconstruction Add-Inのインストール方法
- Marketplaceにアクセス
MyGeotabのマーケットプレイスにログインし、検索バーで「Collision Reconstruction」と入力します。 - アドインの選択
検索結果から「Collision Reconstruction」をクリックし、「Install Now(今すぐインストール)」を選択します。 - EULAの確認(必要な場合のみ)
エンドユーザーライセンス契約書(EULA)を読み、同意する場合は「I Agree」のチェックボックスをオンにして、再度「Install Now」をクリックします。

2. 衝突再現レポートの生成方法
- MyGeotab内での操作
- 左側メニューのSafety(安全性)をクリックします。
- Collision Reconstruction(衝突再現)を選択し、解析対象の車両を選びます。
- 車両、車両タイプ、日付の設定
車両と車両タイプを選択し、レポート作成に必要な期間(開始日と終了日)を設定します。- ※ 車両タイプが不明な場合は、「Let Geotab Decide(Geotabに決定させる)」を選択してください。ただ、稀にチェックを入れないと動作しないことがありますので、乗用車を乗用車を選択しておくことをお勧めします。
- 事故データの検索
「Find Latest Accident(最新の事故を検索)」をクリックして、対象期間内の事故データを抽出します。 - レポートのエクスポート(任意)
必要に応じて、レポートをPDF形式でエクスポートできます。

3. 注意点とトラブルシューティング
- 対象デバイス
Collision Reconstruction Add-Inは、加速度データを取得できるPro/GOプラン以上のデバイスに対応しています。ベースプランでは加速度を取得しないため、使えません。 - 「事故は検知されませんでした」と表示される場合
事故発生時にGOデバイスが「ALERT: Accident limit for acceleration exceeded」の警告を発していない可能性があります。Personal Modeで運用されている場合、フリート管理者がサポートチケットを発行し、ドライバーの同意を得た上でデータ抽出が必要です。 - サポートへの問い合わせ
何か不具合がある場合は、Geotabサポートまたは株式会社八天に連絡し、問題の解決を依頼してください。

まとめ
テレマティクスデータを活用した衝突再現は、事故の正確な再現と分析を可能にし、保険手続き、運転者教育、リスク管理に大きく寄与します。GeotabのCollision Reconstruction Add-Inを利用すれば、事故の詳細なレポートを簡単に生成でき、現場での迅速な対応が期待できます。MyGeotabユーザーの皆様は、ぜひこのアドインを活用して、より安全で効率的なフリート運用を実現してください。
株式会社八天では、フリートマネジメント、安全向上、効率化やジオタブ導入に関するご相談を無料で承っております。車両管理に課題をお持ちの方は是非こちらから弊社へご連絡ください。